診療案内・動脈硬化症

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動脈硬化症

動脈硬化症とはアテロームと呼ばれるコレステロールの固まりが様々な臓器の動脈の壁に沈着することによって起きる病態と定義されています。例えば、心臓、脳、足の動脈が動脈硬化で狭窄・閉塞を起こすとそれぞれ、狭心症・心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症など生命に関わる病気を発症します。
血管比較

それらを予防するには、動脈硬化の直接の原因である脂質異常症(高脂血症ともいいます)の治療はもとより高血圧、糖尿病、メタボリック症候群など生活習慣病の管理が必要です。薬剤による治療も大切ですが、それ以上に重要なのがダイエット、運動、禁煙などまさに生活習慣の改善です。具体的には動物性の脂肪分や炭水化物を控え、減塩を徹底した食事を心がけた上で、可能な範囲で運動を行って下さい。(一般的には30分以上週3回以上のウォーキングなど)

禁煙

喫煙は血管を収縮させ、血栓を形成しやすくします。
減煙では意味がありません。 絶対禁煙して下さい。

狭心症

狭心症

心臓を栄養する冠状動脈が動脈硬化により狭窄をきたし、早歩きや階段昇降時に胸全体のしめつけや圧迫感を自覚することを労作性狭心症と言います。狭心症や心筋梗塞は冠動脈硬化症とも呼ばれ、その危険因子として高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群、喫煙、家族歴などが挙げられます。症状は5分以内で消失し、すぐに生命にかかわることはありませんが、放置すると心筋梗塞に至る事があります。

検査として運動負荷心電図や心臓超音波検査(心エコー)、冠動脈CTなどがあります。確定診断には入院して手首や足の付け根の動脈から心臓カテーテル検査(冠動脈造影)を行い、結果によってPCI(冠動脈形成術)を行います。(PCIは別名カテーテル治療、風船治療とも呼ばれています。)ほとんどの症例で薬剤溶出ステントという再狭窄しにくい金属のパイプを、血管の狭くなった部位に留置し、その後は抗血小板剤という血栓を予防する薬剤を2種類(バイアスピリン、プラビックスなど)継続して内服します。

心筋梗塞

病態は狭心症と似ていますが、血栓で冠状動脈が完全に閉塞する事により、心臓の筋肉(心筋)が壊死し、生命にかかわる重い合併症(致死性不整脈、心破裂、心不全)を引き起こします。症状は30分以上持続する強い胸痛で、しばしば冷汗を伴います。

出来るだけ早く閉塞した血管を拡張する必要があるので、すぐに救急車を呼んで病院へ向かう事が大切です。例えば済生会野江病院では24時間態勢で循環器内科医が常駐しており、すぐに緊急PCIを受ける事が出来ます。発症してから3時間以内にPCIを受けると、心筋のダメージが最小限で済みます。その後は合併症に備えて2日間程度CCUという心臓専門の集中治療室に入室します。PCIが成功して症状がなくなっても、心筋のダメージは残っているので、ゆっくりリハビリしながら約10日間の入院生活が必要となってきます。その間各種検査とともに、必要な薬剤の投与や栄養指導、薬剤指導も行われます。

心筋梗塞は専門の施設で治療を受ければ、90%以上の救命率が期待できます。一方で、最初の治療がうまくいっても、適切な危険因子のコントロールが行われないと予後(心臓寿命)は改善しない事が多くの臨床研究からわかっています。退院してからも再発予防のための治療(二次予防 *まだ心筋梗塞を発症していない場合の危険因子の治療を一次予防という)が一生継続されます。ここからがかかりつけ医の腕の見せ所となります。普段から緊密に患者さんと接する事で、再発の兆候を見逃さず、危険因子の厳重なコントロールを行い、病院と連携して患者さんの心臓を守ってゆきます。

私は済生会野江病院で22年間心筋梗塞治療の第一線で診療に当たってきました。PCIは病院でしか出来ませんが、入院治療や検査に追われ、二次予防のための外来診療にはわずかな時間しか割けません。私自身ここに限界を感じ開業を志す一因となりました。動脈硬化疾患の予防はすなわち生活習慣病のコントロールです。常に患者さんの近くにいるかかりつけ医に、安心してお任せ下さい。

閉塞性動脈硬化症

足の血管が動脈硬化により狭窄・閉塞をきたし、歩行時のしびれやだるさを自覚する病気です。重症になると壊死により足の切断にいたる事があります。糖尿病患者さんや喫煙者に多くみられ、症状により重症度は次の4段階に分けられています。

Fontaine 1度(もっとも軽症) ・・・ 足の冷感や色調の変化
Fontaine 2度 ・・・ 間歇性跛行(かんけつせいはこう)
数十から数百メートル歩くと痛みのため
歩行継続不可能になる症状
Fontaine 3度 ・・・ 安静時疼痛
Fontaine 4度(もっとも重症) ・・・ 足の壊死、皮膚潰瘍

ABI検査

ABI検査という両手足の血圧の同時測定により容易に診断は可能です。
ABI<0.9と異常所見を認め、自覚症状のある方には血管エコーや造影剤を用いたCTなどの検査で病変部位を特定します。薬物治療で改善を認めない場合には、入院にてカテーテル検査を行い、バルーンを用いた血管形成術やステント留置が行われます。また閉塞性動脈硬化症の患者さんは、あまり運動できないので狭心症症状が出現しにくいため、同時に心臓カテーテル検査を行い、冠状動脈に異常がないかを調べます。

閉塞性動脈硬化症は別名“動脈硬化症の窓”と呼ばれ、心筋梗塞や脳梗塞などを発見あるいは予防するきっかけになると考えられています。特に壊死を起こしているような方は、かなり重症の全身動脈硬化症が既に存在しており、切断に至った場合の予後は不良とされています。可能な限り早期に閉塞性動脈硬化症を診断し、動脈硬化性疾患の治療や危険因子のコントロールを行うためにもTASCⅡというガイドラインでは65歳以上のすべての方、50歳以上の喫煙者、肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症で治療中の患者さんに対して定期的なABI検査を推奨しています。

症状が似ているため脊柱間狭窄症など整形外科疾患による足のしびれと勘違いされる方もしばしばおられます。歩行時の足のしびれやだるさを自覚される方は一度当院でABI検査を受けられる事をお勧めします。